交通事故

交通事故の後遺障害で12級に認定されるためのポイント

交通事故で怪我を負った場合、怪我の治療費や慰謝料などを相手方に請求することができます。

そして、交通事故による後遺症が残ってしまった場合、「後遺障害等級認定」の手続を行うことで、通常の治療費や慰謝料に加え、「後遺障害についての慰謝料」など、後遺障害に関連する損害賠償を請求することになります。

交通事故で多く見られる「むち打ち」などは、症状や検査結果などにより、「後遺障害12級」として認定されることがあります。

今回は、交通事故における損害賠償や後遺障害12級の慰謝料相場などについて、順を追って解説していきます。

1.交通事故(人身事故)関連の損害賠償

交通事故において「物」や「人」に被害が及んだ場合、その被害の程度に応じて、相手方に損害賠償を請求することができます。

事故で壊れてしまった「物」への損害賠償の例としては、車や周囲の物(フェンスなど)の修理費・弁償金が挙げられます。
怪我人や死亡者が出ず、物が壊れただけの交通事故は警察で「物損事故」として処理されます。

一方、人に対する損害賠償を請求するためには、警察において「人身事故」という形で扱ってもらう必要があります。

そのために、交通事故で怪我をした場合、軽度であっても必ず早い段階で受診し、診断書を警察に提出しましょう。

診断書の提出をもって、警察は初めて「人身事故」として処理してくれます。

さて、事故で受傷した「人」に対する損害賠償はいくつかの種類に分けられます。

(1) 治療費

怪我の治療に要した金額のことです。受診時は「交通事故の治療である」という旨を必ず伝えましょう。

また、領収証や診療報酬明細書(レセプト)は必ず保管しておきましょう。

(2) 慰謝料

慰謝料とは、「事故によって負った精神的な苦痛に対する損害賠償」のことです。

入院や通院の期間、頻度などによって変動します。

(3) 休業損害

事故の影響で仕事を休む必要が出た場合、事故によって失われた収入分を埋め合わせてもらう必要があります。それが休業損害です。

なお、休業損害は、専業主婦(主夫)であっても、一定の基準をもとに受け取ることができます。

(4) 後遺障害慰謝料

「後遺障害が残った」という事実についての精神的な苦痛に対する損害賠償のことで、(2)の慰謝料とはまた別の扱いになります。

金額は認定された後遺障害の等級によって変動します。

(5) 後遺障害逸失利益

「後遺障害が残っていなければ得られた」と推測される収入についての賠償のことです。

収入について、後遺障害等級認定が出るまでは「休業損害」として計算されますが、認定後は「後遺障害の逸失利益」という形で算出されます。

2.交通事故の後遺障害について

交通事故による怪我の後遺症が残ってしまった場合、後遺障害等級認定を受けることで、後遺障害慰謝料・逸失利益を受け取ることができます。

交通事故の後遺障害等級については、「自動車損害賠償保障法施行令」の別表において明確に定められています。
この表は「後遺障害等級表」と呼ばれます。

視力・聴力・手足(欠損の有無/運動機能の有無など)・咀嚼・言語・歯・神経系統の機能・精神・胸腹部臓器の機能など、それぞれの機能について後遺障害等級が非常に細かく決められており、後遺障害が最も重いものは第1級、最も軽い物は第14級となっています。

例えば、最も重い「第1級」の認定基準は以下のとおりです。この中のいずれかに該当すると認められると「後遺障害第1級」となります。

  • 両目が失明したもの
  • 咀嚼および言語の機能を廃したもの
  • 両上肢をひじ関節以上で失ったもの
  • 両上肢の用を全廃したもの
  • 両下肢をひざ関節以上で失ったもの
  • 両下肢の用を全廃したもの
【判断・認定をするのは誰?】
後遺障害についての認定を行うのは「損害保険料率算出機構」という機関であり、被害者は自賠責保険会社を通じて申請を行います。認定結果に納得がいかなければ「異議申立」も可能ですが、これはなかなか通らないのが現実です。
そのため、最初の後遺障害等級認定の申請が非常に大切になります。

3.後遺障害等級認定の流れ

(1) 後遺障害等級認定の方法

後遺障害等級認定の申請手続には、2つの方法があります。

事前認定
「事前認定」とは、保険会社が代理で行う手続方法です。
被害者にとって手間が少なくなる点がメリットである一方、通常保険会社は必要最小限の書類しか提出しませんから、「上の等級を目指す」工夫や努力などはされない、というデメリットも含んでいます。

被害者請求
被害者請求」とは、被害者自身が手続に必要な書類の作成や準備を行い、それをもとに自分で申請を行う方法です。
やり方によっては事前認定よりも上の等級が認められる=慰謝料が増額することもあるため、手間がかかっても被害者請求を行うメリットはあるでしょう。

(2) 後遺障害等級認定のためのポイント

後遺障害等級認定のためには、怪我の状態が「症状固定」に至ることがまず必要です。

症状固定とは「『今後治療を続けても症状の改善は見込めない』と医師が判断した状態」のことです。

症状固定と診断されたら、主治医に「後遺障害診断書」という特殊な様式の診断書を書いてもらう必要があります。通常の診断書よりも詳細に後遺障害について記載してもらうためです。

より良い後遺障害診断書を入手する為のポイントとは?

[参考記事]

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4.難しい「むち打ち」の後遺障害等級認定

交通事故、特に追突事故で多く見られるのが「むち打ち」です。

正式な診断名は「頸椎捻挫」や「頸部損傷」などさまざまです。
受傷直後ではなく、後から痛みや吐き気、しびれなどの症状が出てくることが多いのが特徴です。

(1) むち打ちの症状固定時期

怪我の度合や損傷した箇所にもよりますが、一般的には完治、もしくは症状固定まで3~6ヶ月程度のことが多いようです。

(2) むち打ちの後遺障害等級

むち打ちで後遺障害が残った場合、認定されることが多いのは、以下のいずれかです。

  • 12級(局部に頑固な神経症状を残すもの)
  • 14級(局部に神経症状を残すもの)

(3) 後遺障害12級になり得るむち打ちの症状

後遺障害12級に認定されるために必須なのは以下の点です。

  • 痛みやしびれなどの症状を自覚していること
  • 第三者からの客観的な所見(MRIやCTなどの画像、腱反射テストや筋萎縮の測定の結果など)
  • 上記の症状と所見が医学的に結びついていることが認められること

これらがきちんと証明できる場合、12級認定の可能性は高まるでしょう。

5.後遺障害12級に認定されるためのポイント

「12級の認定」に限らず、適切な等級認定を受けるために大切なことは以下のとおりです。

  • 事故後継続的に受診し、痛みやしびれがある場合はその都度「まだ痛い」「まだしびれている」と医師に申し出ること(当たり前ですが、嘘をつくことは絶対にしてはいけません)。
  • 症状を説明する際、「服を着ようとすると右肩が痛い」「手がしびれて仕事で使う道具を持てない」など、具体的に説明すること。

また、「むち打ちで12級の認定を受けたい」と考えるのであれば、適切な検査(MRI、CT、腱反射テスト、筋萎縮の測定等)を受け、検査結果と痛みやしびれとの関係が医学的に証明できるようにすることも大切です。

6.後遺障害12級の慰謝料相場

後遺障害12級と認定されると、慰謝料は以下の数字をもとに算出されることになります。

  • 自賠責保険基準:93万円
  • 労働能力喪失率:14%

しかし、交通事故の「慰謝料」にはいくつかの基準があり、上記の「自賠責保険基準」は、実は最低額です。

一方、弁護士が代理人として交渉をする場合の「弁護士基準」はなんと約290万円で、その差は約200万円です。

つまり、弁護士に依頼すると「弁護士基準」で慰謝料交渉ができるようになるので、慰謝料の増額が期待できるのです。

[参考記事]

交通事故で後遺障害|弁護士に依頼すると慰謝料が増額する理由

7.後遺障害等級認定は弁護士へご依頼ください

このように、交通事故の後遺障害の認定手続は、その結果によって受け取れる慰謝料等の金額が大きく変わってくるため、慎重に行わなくてはなりません。

保険会社任せの「事前認定」ではなく、自分が主体となって「被害者請求」を行った方が自身の利益に繋がりますが、手続は複雑で、慣れていない人にとっては非常に面倒です。

そんなときに頼りになるのが弁護士です。
弁護士に依頼すると、慰謝料の増額が期待できるだけでなく、後遺障害診断書にあまり明るくない医師が検査に難色を示すような場合、どうしてその検査が必要なのかなどを理論的に説明できるようになり、当初の予想よりも上の等級が認められる可能性もあります。

交通事故の状況やそれによって負った怪我や後遺障害は千差万別です。

後遺障害等級認定はもちろん、交通事故の慰謝料交渉などでお悩みの方は、一度泉総合法律事務所の弁護士にご相談ください。

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